身体を温めて自律神経のバランスを整える
カイロを使って体を温める
筋肉が大きく熱の吸収がいい「お腹、太ももの前面、お尻、二の腕」にカイロを当てることで、血流を良くして冷えを軽減させることができます。
腰痛もちのひとはよく、仙骨(背骨の下端)の骨のでっぱりにカイロを当てますが、その場合は皮膚の薄い仙骨の中央ではなく、より肉厚なところ(ズボンの後ろポケットの付近)に1枚ずつ当てて下さい。
皮膚への負担も少なく、血流が良くなり、さらに疼痛改善に効果的な刺激になります。
外出時に靴の中にカイロを入れる場合は、足底にカイロを敷くのではなく、土踏まずから足の側面、甲にかけてソックスに貼るのです。
こうすると足からの放熱が少なくなり、足の裏全体と、実は一番冷えやすい足の甲から指先にかけても冷えません。
また、体が冷えてうつ気分が強い人は、カイロを耳に当てるのがオススメです。
耳たぶの上に当てるだけでなく、耳たぶを前に倒すようにして、耳の裏側にカイロを5~6分当てることで脳の血流が増加します。
とくにうつ病では、脳の側頭葉(大脳皮質の外側に位置する脳の一部)の血流低下が起きることが知られています。
この側頭葉は耳のすぐ近くにあるので、耳を加熱することで、この部分の血流が増加すると考えられています。
ネガティブな気分のときは、耳を加熱すると解消できます。
また、耳を支配している神経は内臓も支配していますので、内臓機能を改善させる効果も期待できます。
「蒸しタオル」のすすめ
「蒸しタオル」で脳のうっ血を解消
脳にうっ血が多くなると寝つきが悪くなり、夜中に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めたりするなどの睡眠障害が起きて、睡眠の質が低下してしまいます。
あるときから急に寝つきが悪くなって里、熟睡できなくなった経験はありませんか?
そういうときは、体が冷えたことで脳にうっ血が多くなったことを疑ってみましょう。
脳にうっ血が多い時は、首を温めて筋肉の緊張をゆるめる事で解消できます。
首の後ろの筋肉や肩の筋肉を温熱効果のある「蒸しタオル」で温める方法が有効です。
首こりに限らず、体のコリは筋肉のうっ血が原因。
蒸しタオルの温熱効果で筋肉の緊張を緩めると、副交感神経が優位になって血流が良くなり、うっ血が解消されます。
目を動かす外眼筋のこりが原因で起こる眼精疲労にも蒸しタオルの温熱効果が有効です。
蒸しタオルを目からこめかみにかけて覆うように載せてうっ血をとると疲れ目が楽になります。
また蒸しタオルは上記の熱の「湿熱」なので、薄い皮膚や血管が細い部分の温熱に向いていて独特の気持ち良さもあるのです。
蒸しタオルも湯たんぽと同様にだんだんと冷めていくので、目や首に当てることで自律神経のバランスが調整されます。
季節の変わり目に起こる体調不良の改善にも役立ちます。
お腹の冷えと排便の乱れには「腸もみ」が効果的
お腹には全身の血液の約4分の3が集まっています。
また、腸はまっすぐな状態でお腹に納まっているわけではないので、うっ血がおきやすく、血液循環が悪くなって冷えやすくなります。
このお腹(腸)の冷えが、全身の冷えへと広がっていくのです。
また、お腹が冷えると交感神経が緊張するので、その結果便秘や下痢も起きやすくなります。
そうした冷えたお腹にマッサージで刺激を与えるのが「腸もみ」です。
腸もみのソフトな刺激でお腹が温まると、全身がポカポカしてきます。
お腹の血流が良くなると、自律神経のバランスがよくなって、排便のリズムが整い、便秘や下痢などの排便障害を回復へと導きます。
腸もみは立って行っても、仰向けに寝て行ってもOKです。(仰向けに寝て行う場合は、両膝を立てて行う)
「腸もみ」でお腹の血流を改善し、自律神経を整える
- 全身の力を抜いて、へその両脇に指を開いて手を当てる。
- 手のひらと指先をリズムかるに交互に動かし、お腹を軽く圧迫刺激します。
- 起床時と就寝時に布団の中で行うのがオススメ。(朝は50回、夜は100回を目安に)
※腸もみを行って、太もも付近が温かくなればうっ血が減っている証拠。温かくならない場合は回数を増やしてみましょう。