「がんばります」は脳にとっては意味不明言葉

はじめに
頭痛について勉強しているうちに、脳にも興味が湧いてきました。
脳の特性を知ることで、頭痛の改善に役立つことも多々あるような気がします。
人が本来もっている本能や脳の癖を知ることで、毎日を快適に生きるヒントが見つかれば嬉しいです。
「コツコツやる」態度は達成感を落とす
一般にコツコツやることは良いこととも言われていますが、脳のパフォーマンスを上げるためにはよくないことなのです。
「コツコツやる」「一歩ずつやる」には「失敗しないように慎重に進めよう」という「自己保存」のクセが隠れています。
この「失敗しないように」という考え方は失敗するかもしれない、失敗したらどうしようという考えと表裏一体の物です。
「失敗するかもしれない」は脳にとっては否定語です。
また一歩一歩慎重にとゆっくり物事を進めていると、どうしても集中力が落ちてきてしまいますし、完成が近づいてくると「そろそろ終わりだな」と考えてしまい「だいたいこんなところでいいだろう」と結果的に最後までやり遂げないまま妥協してしまうことになりやすいと言えます。
ですから、自己報酬神経群をよく動かすためには、決断・実行を早くし達成に向かって一気に駆け上がる事が必要です。
特に仕事やスポーツにはこのスタンスが重要です。
全力投球とコツコツはまったく別のものなのです。
「達成すること」より前に「どう達成するか」などの達成の仕方を研究し、最後の詰めに執着することで、脳はもてる才能を最大限に発揮できるようになるのです。

「がんばります」では力は発揮できない
脳に対しては明確に「目標」を決めてやることが大切です。
みなさんは「目的」と「目標」を分けて考えているでしょうか。
たとえば「がんばって契約を取ってきます」はただの「目的」。
「目標」とは契約を取るために何をするか?やるべき事を具体的にしたもののことを言います。
目的を達成するためには、いくつもの目標があることになりますが、それを明確にしないまま「がんばります」と言う人は少なくありません。
根性論で「がんばります」とだけ言っていても、脳は何を頑張ればいいのかわかりません。
「がんばります」は脳にとっては意味不明な言葉なのです。
また「がんばること」自体が目標になってしまうと、目的を達成しなくても「がんばったから」と納得してしまい、いつまでも目的を達成できないという悪循環に陥ることになりかねません。よく「がんばります」「今日はがんばった」などと口にしている人は要注意です。
脳がパフォーマンスを発揮できるようにするためには、達成すべき目標や、今日は何を達成したのかを具体的に言えるようにする必要があるのです。
また「ノーミスでがんばります」というのも、脳に悪い考え方の例といえますから、注意が必要でしょう。
「ノーミス」と言っている時点で、それは脳にとって「ミスしないようにする」という否定語を含み、「ミスするかも」という考えを生みやすくするからです。
例)目的・・「がんばって契約をとる」
目標・・「週に10件アポイントを取る」「提案資料をわかりやすく作成する」「毎日3件顧客訪問する」など
目的と目標の両方を定め、紙に書いて貼っておくなどして、脳に対し「がんばるべき方向性」を明示する習慣を身につけましょう。