女性ホルモンの変化がおよぼす手指の症状

女性は家事・育児と手を使う事が大変多く、40歳を超える頃には手指に不調を感じる人も少なくありません。
そんな手指の痛みや変形は単に酷使しているというだけでなく、更年期症状のひとつでもあります。
目次
1手指の痛み・変形も更年期症状のひとつ
50歳以上の女性に起こる手指の痛みや痺れ、腫れ、変形といった症状は、手指の酷使や加齢が原因だと考えられてきましたが、エストロゲンの減少が関与している可能性があります。

2女性ホルモンと手指の症状の関係
エストロゲンは、エストロゲン受容体という受け皿にくっついてはじめて効果を発揮します。エストロゲン受容体は手指の関節やじん帯にも含まれており、更年期以降はエストロゲンの分泌が急激に低下することで、幹部の痛みや腫れを引き起こす可能性があります。
さらに、幹部が腫れて神経が圧迫されるとよりう症状が重くなる恐れがあることから適切な予防や治療が必要です。
3手指の症状の治療法
手指の関節の痛みは50歳前半、変形は60歳代から最も多く、手指の痛みに対して適切な治療がされずに7~10年経過し変形に至った可能性が高いと考えられます。
治療法は①安静・固定②薬物療法③手術の順で行うのが基本です。
更年期症状の治療法として漢方療法、向精神薬、カウンセリング心理療法などがありますが、手指の症状に対してあまり効果が期待できないことがわかっています。
エストロゲン補充療法は更年期症状の緩和には役立ちますが、すでに変形している関節の痛みなどには症状改善が乏しいことが報告されています。
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4代替治療として食品の選択も
近年の研究によると、大豆イソフラボンの一種で腸内細菌に代謝されてできるエクオールという物質にエストロゲンに似た作用があることがわかりました。
エクオールは女性ホルモンの減少による様々な症状の予防や軽減といった作用が報告されています。
このエクオールを手のしびれや指の関節痛のある更年期以降の人に毎日10mgずつ3ヶ月接種いただいたところ、症状が落ち着いた方が多くいました。
このように50歳以降の手指の痛みや痺れに対して食品などの代替療法も効果がみられる可能性があります。これまで手指の使い過ぎや年齢のせいだと治療を諦めていた方も取り入れてみるのはいかがでしょうか。
エクオールとはどのように作られるのか?
日本人の食卓でおなじみの納豆やみそ汁、豆腐など大豆製品には大豆イソフラボンが含まれています。
この大豆イソフラボンの1つであるダイゼインが腸内細菌によって代謝されてエクオールが作られます。

エクオールの身体への作用
エクオールには①エストロゲン様作用、②抗エストロゲン作用、③抗アドレナリン作用、④抗酸化作用が認められています。
エクオールは、エストロゲンが乏しい時にはエストロゲンの働きを補うとともに、エストロゲンが足りているときには、過剰な働きを抑えてホルモンのバランスを整えてくれるのです。
更年期症状の軽い方と重い方の尿中に排出されたエクオールの量を調べたところ、エクオールの排出が少ない方は更年期症状が重いことがわかりました。
これはエクオールが更年期の症状の緩和に大きく関わっていることを意味しています。
エクオールを作り出せる人は2人に1人
エクオールを生み出す腸内細菌は全ての人の腸内に存在するわけではなく、大豆イソフラボンを摂取してエクオールを作り出せる人の割合は、日本人で5割程度といわれています。
またエクオールを作り出せる人でも、食生活や体調により腸内環境が変わり、エクオールを産出できなくなる場合があります。
自分がエクオールを作り出せるかどうかは市販の尿検査でチェックすることができます。
エクオールを安定して供給するために
エクオールを産出できない方は、大豆と乳酸菌で発酵させて作られたエクオール供給食品を摂取するといいでしょう。
またエクオールは短期間で体外に排出されるため、エクオールを作れる方でも毎日大豆食品を摂る必要があります。
大豆食品を継続して食べることが難しい方、大豆食品が苦手な方にはサプリメントがありますので、1日10mgを目安にエクオールを生活に取り入れてみるのもよいでしょう。
※大豆まめ知識
大豆には大豆イソフラボンだけでなく、オリゴ糖、サポニン、たんぱく質、ミネラル、食物繊維などといった栄養素が豊富に含まれていて女性に優しい食品です。
栄養のバランスをとりながら、積極的に取り入れていきましょう。
エクオールに期待できること
エクオールのけんきゅうが 進むにつれて、現在では毎日エクオールを1日10mg摂取することで、骨量減少の予防やシワの増加を抑制することに加え、生活習慣病の予防や改善など様々な効果を期待できることがわかってきました。
・ホットフラッシュ
・首や肩のこり
・骨量
・目じりのシワ など
他にも抗酸化作用、血管内皮作用、メタボリックシンドロームの予防なども報告されています。
やはり腸内環境も大切ですね。
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