女性ホルモンの変化がもたらす症状

目次
女性ホルモンとは
人間の体内には100種類以上のホルモンが分泌され、性ホルモンは生殖機能や身体を健康に保つ役割を果たしています。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあり、主に卵巣で作られます。
女性ホルモンは月経周期に合わせて増減し、このバランスが乱れると様々な体の不調が起こります。
〇エストロゲン
女性の体を妊娠可能な状態にする
・女性らしい身体をつくる
・基礎体温を下げる
・自律神経を整える
・骨密度を高めて骨を丈夫にする
・コレステロール値を正常化させる
・動脈硬化を抑制 など
〇プロゲステロン
・受精卵が着床しやすい状態に整える
・妊娠をサポートする
・乳腺を発達させる
・食欲を増進させる
・血糖値を正常にする
・体脂肪を減少させる
・基礎体温を上昇させる など
ホルモンバランスが崩れると・・生理痛、月経前症候群、肌荒れ、ニキビなどの体の不調がおこります。
女性のライフステージとホルモンの関係
女性は一生の間に4つのライフステージを経験します。
エストロゲンの分泌量を見ると、初潮を迎えるころ(思春期)から増え始めて、20~30歳代(性成熟期)でピークを迎えます。
その後40歳から急激に減少して閉経を迎え(更年期)その後(高齢期)は分泌が乏しい状態となります。
更年期は閉経を迎える前後10年間の事をいいます。

女性ホルモン減少により起こる身体の異常
女性ホルモンは脳から卵巣に指令が送られて分泌されますが、更年期には卵巣の機能が衰えて女性ホルモンが出なくなるため脳がパニックを起こします。
何度も脳から指令が出されることで自律神経が乱れて身体の不調が起こります。
この更年期における様々な不調を更年期障害といいます。
・自律神経系
頭痛、めまい、耳鳴り、物忘れ、憂うつ、判断力や集中力の低下、不眠、不安感など
・消化器官系
食欲不振、吐き気、便秘
・泌尿器・生殖器系
月経異常、頻尿、残尿感、尿失禁、性器下垂感、外陰掻痒感、膣乾燥、萎縮性膣炎
・血管運動神経系
のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、息切れ
・運動器官系
肩こり、腰痛、関節痛、手指の痛み、変形
・皮膚・分泌系
皮膚や粘膜の乾燥、湿疹、発汗、ドライアイ、ドライマウス(唾液分泌の異常)
このように全身のあらゆる箇所で身体の不調がおこるといわれ、これまで年齢のせいや使い過ぎとして見過ごされてきた手指の変形や痛みや痺れなども更年期症状の一種ではないかといわれはじめています。
このように女性ホルモンは女性の一生に大きな影響を与えています。 急激に減少する更年期から高齢期まで健康な日常を送るためにもきちんとしたケア、生活習慣の見直しが大切です。
女性ホルモンまめ知識
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、閉経前には卵巣で作られますが、閉経後は主に脂肪で作られます。
高齢期にみられる体重の増加は、閉経により大幅に減少したエストロゲンを補うための代償作用ではないかと言われています。

女性ホルモンを増やすには
残念ながら女性ホルモンの分泌量は増えることはなく、年齢と共に減少を続けるのみです。
ですので、女性ホルモンを増やすという考えではなく、女性ホルモンを補う、または女性ホルモンをコントロールするという風に考えることをお勧めします。
女性ホルモンを補うには
- バランスのよい食事
和食中心の食生活がオススメ。
肉や魚、大豆たんぱく質、野菜、炭水化物、少量で良質な油をバランスよく摂りましょう。
- 良質な睡眠
睡眠不足になると、自律神経のバランスが崩れ、女性ホルモンにも悪い影響を与えます。
- 適度な運動
血行と身体の代謝を良くする事で、女性ホルモンにも良い影響を与えることができます。
デスクワークの方は特に代謝が悪くなりがちですので、気を付けましょう。