水の中のミネラル(硬水と軟水)
目次
はじめに
皆さんは1日にどのくらい水を飲みますか?
お茶などは飲むけれど味のしない水は苦手という方や、一日の水分はほとんどコーヒーなんて方もいます。
仕事柄、頭痛患者さんとお話しすることが多いですが、ほとんどの方が水分不足です。
昨今ではミネラルウォーターが普及して、以前よりは水に関心を持つ方が増えたような感じもしますが、実は一番身近な水について、私たちはあまり詳しくないように思いました。
今回はそんな「水」について何回かのシリーズに分けてお届けしたいと思います。
自身に水が足りているのか?体の中の水のめぐりは良いのか?確認したい方はこちら⇒
1日にどのくらいの水分が失われているのか?
1日どのくらい水を飲めばいいのか知りたい方はこちら⇒
ペットボトルの水が普及して、いまや水を買うことは当たり前になりました。
おいしい水を飲む機会が増え、お気に入りの銘柄があるという人も多いでしょう。
ひとくちに「水」といっても「軟水」と「硬水」では口あたりがまったく違います。
成分もボトリングのされ方もさまざまです。
実は体調に合わせて水を選べば、不調を改善する事も出来るし、水を飲むだけで痩せることも可能なのです。
症状別に水を選び、ベストのタイミングで飲むことで、様々な病気を予防・改善することもできます。
皆さんの健康のためにお役たち頂ければと思います。
「いい水」を飲もう
体内を水分で満たし、その水分を滞りなくめぐらせるために不可欠な1日1.5~2ℓの水。
「いい水」を選べば、若々しく美しく、病気知らずになるのです!
体の不調や病気を予防・改善し、より健康効果を高める水の選び方、体の状態に適した飲み方の「水のみ健康法」をご紹介します。
まず飲む水は体を生かす「いい水」です。
その選択基準のひとつは加熱殺菌されていない「生水」です。
加熱殺菌すれば菌はいなくなりますが、水の構造そのものも変わり、おいしさの決め手となる酸素も炭酸ガスも失われてしまいます。
水の先進国であるヨーロッパなどの「ナチュラルミネラルウォーター」は殺菌など人の手を加える事が一切禁止されています。
長い年月をかけて地層を通過し、自然の力でろ過された生水です。
一方、日本ではナチュラルミネラルウォーターと書かれていても加熱処理されているものがあります。
ラベルをチェックして「生水」を選びましょう。
☆「いい水」キーワード・・「生水」
ミネラルを一定量バランスよく含み、加熱処理していない「生水」は健康効果が高い水です。
水を買うときは、原産国が海外の物は「ナチュラルミネラルウォーター」と表記があるものを選びましょう。
日本産のものは「加熱処理していません」「非加熱処理」などと書かれているのが「生水」です。
☆「いい水」キーワード・・「硬度」
水1ℓの中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を数値化したもの。
その含有量から少ない物は「軟水」、多い物は「硬水」と分類されます。
その分類法は、日本と、世界基準であるWHOの規定では違いがあります。
下記は日本における分類法です。
軟水―硬度100mg/ℓ未満
中硬水―硬度100~300mg/ℓ未満
硬水―硬度300~1000mg/ℓ未満
超硬水―1000mg/ℓ以上
☆「いい水」キーワード・・PH値
水素イオン濃度を表す指数。
アルカリ性の水は賛成に傾いた体をアルカリ性に改善し、新陳代謝を高め、めぐりを改善します。
アンチエイジングにも効果的な水です。
初めはPH7.4ほどの弱アルカリ性のものから飲み始めましょう。
※PH値は7を「中性」として、7より小さいほど「酸性」の性質が強く、大きければ大きいほど「アルカリ性」の性質が強くなります。
「硬水」「軟水」を使い分けよう
「いい水」の選択基準には「硬度」と「PH値」もあります。
「硬度」は水1ℓ中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を数値化したものです。
カルシウムとマグネシウムが少ない物は「軟水」、多い物は「硬水」と分類されます。
硬水は積極的に体を強化していく水で、軟水は体に負担をかけずに体内を循環する水です。
「おいしい」と感じる水を選んでみましょう。
「PH値」は水素イオン濃度を表す指数です。
健康な人の体液はPH7.4くらいの弱アルカリ性なので、アルカリ性の水との相性が抜群です。
疲れて酸性に傾いた体を弱アルカリ性に戻すのに有効です。
新陳代謝を高め、体の不調の改善や美肌効果も期待できます。
アルカリ性の水には活性酸素を抑える働きもあるので、アンチエイジングにも効果的です。
病気を治すミネラルの力
ミネラルウォーターにはその名の通り、さまざまなミネラルが含まれています。
地球の恵み「ミネラル」を利用して健康効果を高めましょう。
地層から溶け出したミネラル
雨や雪が大地にふりそそぎ、水が地層を通過するときにゴミや汚れなどがろ過され、同時に地層内のミネラルが溶け出し、水に多大なパワーを授けます。
「日本の水は軟水が多く、ヨーロッパの水は硬水が多い」と言われるのは地形の違いによるものです。
日本の国土は起伏に富み、高地から低地まで水の流れが速いために水が地層に含まれるミネラルを吸収する期間が短く、ミネラルの少ない軟水になります。
一方、ヨーロッパ大陸は高低差が少ないなだらかな地形です。
長い年月をかけて地層をゆっくりと通過するときにミネラルが溶け出し、ミネラルを豊富に含んだ硬水になります。
ミネラルの種類や量によって健康効果が変わります。
主なミネラルの健康効果を紹介します。
主なミネラルの健康効果
〇カルシウム
私たちの体に最も多く含まれるミネラルです。
99%は骨や歯を形成し、1%は筋肉や神経、体液中に含まれています。
このたった1%のカルシウムで、血液の凝固を助け、筋肉の収縮を促し、酸素を活性化させ、心臓が正常に働くように支えています。
高血圧、動脈硬化、骨粗しょう症の予防のほか、イライラなどの精神的な不安定をやわらげる効果もあります。
〇マグネシウム
カルシウムと同様に重要なミネラルです。
カルシウムの働きを助け、骨から溶け出すのを防ぎます。
「カルシウム:マグネシウム=2:1」で摂るのが理想的。
マグネシウムは腸の中の水分を便に吸い寄せてやわらかくするので便秘改善に役立ちます。
糖質やアミノ酸の代謝に関わる酵素を活性化したり、ビタミンB群の働きを高めたり、疲労を防ぐ効果もあります。
〇カリウム
筋肉の収縮や神経伝達、体液のバランスやPH値を調整しています。
ナトリウムとの相互作用で浸透圧を調整したり、塩化ナトリウム(塩)を摂りすぎたときに血圧上昇を抑える働きも。
不足すると疲労やだるさを感じやすくなります。
海藻類やパセリなどの多くの食品から摂取しやすいものの、排泄されやすいミネラルです。
意識的に摂取することが大切です。
〇亜鉛
たんぱく質や炭水化物の代謝、ホルモン分泌の調整、皮膚や骨の発達や維持、脳機能の活性化、アルコール性肝硬変の改善などさまざまに働くミネラル。
牡蠣やレバー大豆製品などにも含まれます。
活性酸素を除去する働きもあり、エイジングケアに有効です。
不足すると肌、髪、爪などにトラブルが起き、味覚障害になる恐れも。
体内への吸収率が低いため意識的に摂取を。
〇ナトリウム
体液の浸透圧を正常に保ち、ほかのミネラルの代謝を助けるミネラルです。
特にカリウムとの相互作用は重要で、相互に働かないと神経伝達がスムーズに行われません。
ナトリウムを摂りすぎると高血圧やむくみをまねき、不足すると神経に異常を来すこともあります。
ただ、食事に含まれる塩分などから十分に摂取できるため、意識的に摂る必要はありません。
〇サルフェート
ミネラルと硫黄基が結合した硫黄塩のことで、もともとは温泉の成分。
温泉水をボトリングした超硬水に多く含まれています。
二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを尿と一緒に排出する働きなど、有害化合物や老廃物を体外に排出し、新陳代謝を高める作用があります。
さらに便秘解消、利尿作用、デトックス効果、ダイエット効果もあるとされています。
〇セレン
「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEの約500倍もの抗酸化力を持つミネラル。
体を錆びさせる「活性酸素」を除去する働きがある為、動脈硬化予防、老化防止、がん予防などが期待されます。
ただし、摂りすぎると肌荒れ、貧血、脱毛、肝硬変など慢性的な中毒症状が現れることもあり、摂取量には注意が必要です。
〇シリカ(ケイ素)
骨、血管、皮膚、歯、爪などの健康維持に欠かせない栄養素です。
コラーゲンなどの結合部分を増強し、組織と組織を束ねる役割を担っています。
不足すると肌の乾燥やシワが生じやすく、抜け毛・薄毛・骨折しやすいなどの影響も。
玄米や粟などに多く含まれています。
食べる機会が減ったためにミネラルウォーターから摂るのが最も手軽で効果的です。
若返りパワーに注目!雪解け水
水には科学で解明できないことがあり「奇跡の水」と呼ばれる水がたくさんあります。
中でも不思議な話が多い雪解け水は本当に「若返りの水」なのでしょうか?
雪解け水や氷が溶けた水は「若返りの水」であることが多くの科学者によって確認されています。
北極では氷の溶けた海水でプランクトンが以上に発生していました。
また、雪解け水が農作物の収穫量や鶏の産卵数、牛の乳量を増やしたり、若鶏の成長を早めることもわかっています。
降り積もった雪が地下水となって湧き出る雪解け水は「ろくいんかん」という分子構造をしていて、生理活性が非常に強いのが特徴です。
これが若返りのパワーの秘密です。
しかし、5日もすると分子構造が生水と同じ「ごいかん」になり、このパワーを喪失してしまいます。
まさに雪解け水は5日間だけの「奇跡の水」なのです。
日本には雪解け水を飲むと若返るという「をち水の信仰」があります。
「万葉集」にも月の神「ツクヨミ」が「をち水」を持って登場しています。
「をち」の動詞形「をつ」は「若返る」という意味です。
古くから雪解け水には大きな力が備わっていたことに気づいていたのでしょう。
自宅で水道水で簡単に作る「若返りの水」
雪解け水を参考にした「氷結水」を、自宅で簡単に作る方法をご紹介します。
水道水を冷凍庫で凍らせると中央が白く濁ります。
その白濁した部分には、水道水に含まれている塩素やトリハロメタンなどの不純物が含まれています。
水を凍らせると不純物を含まない部分から凍っていきます。
この性質を利用して不純物を含まない氷結水を作り、これを溶かせば安全でおいしい「若返りの水」の完成です。
氷結水の作り方
①平らな容器に水道水を入れる(揚げ物を置く時に使用するバットなどがおすすめ)
②冷凍庫で半分ほど凍らせる。
③氷を割り、凍っていない水を捨てる。
④容器に残った薄く透明な水を溶かして水に戻す。
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