猫背が招く体の不調

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猫背が招く体の不調

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はじめに

猫背で真っ先に悪影響が出るのは、言うまでもなく背骨と深く関係している首・肩・腰の痛みとこりです。

首には、頭部の重みが直接乗っかります。

頭部は一般的な体形の人なら全体重の10%の重みがあるとされ、体重60キロの人の場合は約6キロになります。

そのさいに、背骨がゆるやかなS字カーブを描いて、重みを吸収・分散させていれば問題ないのですが、スマートフォンを多用する生活などで、あごを前に突き出した姿勢(カメ首)を続けていると、首への負担はより増大します。

一方、肩には頭部と腕の重さが乗っかります。

片腕の重さは体重の約8%、両腕で約16%です。

それに頭の約10%を足した26%、つまり体重の4分の1の重さが肩にある僧帽筋や肩甲挙筋などの筋肉、それに背骨への大きな負担となります。

しかも、猫背の人は首や肩が常に緊張して血流が悪くなり、こりや痛みがさらに悪化します。

さらに、腰は胸郭(心臓や肺を囲むようにして肋骨などで覆われたカゴ状態の空間)と両腕と頭部を支えています。

そのため、腰椎(背骨の腰の部分)に変形や炎症が起こる頚椎症や、背中を急な痛みが襲うぎっくり背中が引き起こされます。

背骨の骨には、ついこうと呼ばれる穴があり、この穴の連続で生まれる空洞を脊柱管といいます。

猫背で背骨や椎間板が変形すると、脊柱管が狭くなって中の神経が圧迫される脊柱管狭窄症を引き起こすことがあります。

猫背になると股関節やひざにも悪影響を及ぼす

猫背が肩こりや腰痛を引き起こすのは、なんとなく想像がつきますが、下半身にある股関節やひざ関節にも悪影響を及ぼします。

直立した時にフラつかず安定して立っていられるのは、重心がつま先とかかとを結んでできる面の中心にある時です。

猫背になりと頭の位置が前にずれて、重心も本来あるべき位置より前寄りになります。

すると体のバランスが崩れて不安定になるため、股関節とひざを曲げて、腰も少し後ろに引いて、重心を本来の位置に戻そうとします。

これにより前に倒れる危険はなくなりますが、股関節とひざには負担が増すので、痛みが現れます。

股関節やひざの痛みは歩く能力に直結するので、放置すると様々な悪影響が出てきます。

まずは外出がおっくうになります。

痛みがあるので自然と活動量が減って、筋肉も衰えます。

外出を控えると人と会って話したり、外から受ける様々な刺激が少なくなったりします。

こうした社会性の低下は、認知症の発症リスクになることが内外多くの研究から明らかになっており、2~4倍はリスクが高まると報告されています。

猫背から認知症リスクも上がってしますとは、こんなに怖い事はないと思います。

猫背からつまずき転倒

猫背になると、一般的には骨盤が後ろに倒れます。

そのため、骨盤とつながる股関節が後ろに反り、骨盤の中にある腸腰筋が伸びた状態になります。

腸腰筋とは背骨の腰の部分や骨盤から大腿骨(太ももの骨)までをつなぐ筋肉で、太ももやひざを持ち上げるときに使われます。

筋肉は伸びっぱなしだとゴムと同じで衰えますから、腸腰筋も当然衰えます。

猫背の人は腸腰筋が伸びきっていて、筋力を発揮しづらいため、つまずいた時に足を出すタイミングが遅れて、転倒しやすくなります。

猫背の人はそうでない人に比べて、転倒リスクが1.4倍高いとの調査結果がでています。

骨がスカスカになる骨粗しょう症がある人は、特に転倒には注意が必要です。

高齢者では転倒した時に大腿骨を骨折してしまうことが多く、大腿骨頸部を骨折すると手術が必要で、回復力が衰えた高齢者の場合は、そのまま寝たきりになることが珍しくありません。

猫背だと呼吸が浅く酸素不足に

私たちが大きく息を吸えるのは、肋骨が動いて、それに伴い肋間筋が伸ばされるからです。

ところが、猫背になると、肋骨が十分に動かないため、呼吸が浅くなり、肺活量が低下しがちです。

また筋肉自体にもストレスがかかります。緊張や不安が加わると呼吸はさらに浅くなります。

すると交感神経(心身の働きを活発にする自律神経)が活発に動き、呼吸の回数を増やすことで酸素不足を解消しようとします。

交感神経は血管を収縮させる作用もあるため、高血圧のリスクが高まります。

また、血管が収縮して血流が悪くなると、歩いたり動いたりした時に、むくみや疲れ、だるさが生じやすくなります。

交感神経優位な状態が続くと自律神経のバランスが崩れ、無気力や不眠などを招く危険もあります。

この点からも猫背の放置は危険です。

自律神経についてはこちら⇒

猫背になると逆流性食道炎や便秘・頻尿のリスクも

猫背になると内臓にも悪影響が及びます。

猫背で背中が丸くなると、内臓が収まっている腹腔が狭くなって、臓器が圧迫されます。

みぞおち付近の胃が圧迫されると、やがて胃酸や胃の内容物が食堂に逆流する逆流性食道炎になります。

逆流性食道炎の代表的な症状は、胸やけと呑酸です。胸やけといってもその感じ方は人それぞれですが、特に多いのが「胸の辺りが重苦しい」「胸がムカムカする」という訴えです。

呑酸はすっぱい胃酸が胸やのど、口にまで上がってくる症状を言います。

また、猫背の人は食堂裂孔ヘルニアになりやすいという報告もあります。

胸郭の下に、ドーム状に張られた横隔膜という筋肉の膜があります。

食堂は横隔膜にある食堂裂孔という穴を貫通して胃に繋がっています。

本来、食堂裂孔の下にあるべき胃が食堂裂孔を通って上側に飛び出すのが食堂裂孔ヘルニアで、逆流性食道炎の大きな原因になることが知られています。

また、猫背の人は骨盤が後傾し、内臓が下垂しやすく、膀胱が圧迫されることがあります。

すると膀胱に十分な尿がためられず、何度もトイレに行く頻尿を招きます。

同様に胃腸が圧迫されると消化吸収に悪影響が及ぶうえに、腸のぜん動運動(内容物を外に送り出す運動)が低下し、便が腸内に溜まる時間が長くなって、便秘のリスクが高まります。