猫背を正し、姿勢矯正で血行改善
腹式呼吸と姿勢矯正で血行を改善
日本でも健康法として行う人が多い中国の伝統的な養生法に「気功」があります。
気功では、お腹を使って深く呼吸する「腹式呼吸」が行われます。
腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐く時にお腹をへこませる呼吸法です。
この腹式呼吸が、胸を使って呼吸する胸式呼吸に比べて体にいい事は広く知られてします。
腹式呼吸は息を吸う事よりも吐くことに重点を置いていますが、これには、「生きをゆっくり長く吐くと、自然とたっぷり息が吸える」という狙いがあるのです。
深い呼吸が副交感神経を刺激する
呼吸をコントロールしているのは自律神経で、息を吐く時は副交感神経が優位に、息を吸うときは交感神経が優位になります。
だから、たっぷり息を吐く腹式呼吸は、副交感神経が優位になりやすい呼吸法だといえます。
また、深い呼吸で副交感神経を刺激して血流がよくなると、筋肉が弛緩して体がリラックスするため、気持ちも落ち着きます。
腹式呼吸は、鎮静剤のような役目もしてくれるわけです。
もうひとつ、お腹を使う腹式呼吸を行うことで、お腹の血流が改善してうっ血(血液の滞り)が取れることも重要です。
お腹には全身の血流の8割近くが集まっているので、ストレスを受けたり、疲れたときにはお腹にうっ血が起きやすくなります。
お腹にうっ血が生じると全身の血流が悪くなり、体が冷えてしまいます。
つまり、腹式呼吸でお腹のうっ血を解消することは、体を温めることに直結するのです
普段から腹式呼吸を心がけていると、体の冷え具合も違ってくることは間違いありません。
また、意識してもなかなか腹式呼吸ができない人は、「お腹をへこませながらゆっくりろ鼻から息を吐き、お腹を膨らませながらゆっくり鼻から息を吸う」腹式呼吸のレッスンを続けると、血流改善に役立ちます。
猫背を治す腰枕
姿勢の善し悪しも自律神経に密接に関わっています。
姿勢の大切さは、悪い姿勢の代表例である猫背で考えるとわかりやすいでしょう。
猫背は本来の背骨のS字ラインが崩れ、骨盤の仙骨なども立っていない状態です。
猫背のままで生活していると、背中の筋肉が緊張してしまい、交感神経を優位にします。
また、猫背は内臓を常に圧迫している状態ですから、内臓機能を低下させ、お腹にうっ血を起こしやすい状態でもあるのです。
腹式呼吸がお腹のうっ血を解消することは先に述べましたが、それとは逆に、猫背はお腹にうっ血を起こしやすい姿勢なのですから、どう考えても改めるべきでしょう。
姿勢を改める際には、猫背やうつむき加減の姿勢が体にダメージを与え続けることを自覚し、「姿勢を正そうという意識」を持つことが大切です。
姿勢の改善には、背骨をまっすぐに伸ばすことが有効で、背骨をストレッチする「腰枕」がオススメです。
また、猫背になる原因の多くが加齢や運動不足による筋力低下にあるため、歩くことや体操で筋力を補うことも必要です。
そして、長時間同じ姿勢を続ける事も、自律神経にはよくありません。
同じ姿勢をとり続けて限られた筋肉しか使わないと筋肉のうっ血が増え、最終的には内臓を循環する血液量が低下して、内臓の機能低下を招きます。
血流障害が起こると筋肉が緊張して首や肩がこり、筋肉の緊張が長時間に及ぶと交感神経が緊張して自律神経のバランスが崩れてしまう・・・。
この悪循環が体の冷えや頭痛、耳鳴りなどの体調不良を引き起こすのです。
私も、パソコン作業を長時間行うと肩や腰がこって、手足が冷えてきます。
この冷えこそ、血流障害のシグナル。体を動かしたり、湯たんぽを使ったり、温かい物を食べたり飲んだりして、体を温めるようにしています。
「腰枕」で猫背、悪い姿勢をスッキリ改善!
猫背などの悪い姿勢を改善させるためには、首から腰にかけての筋肉の緊張を
とることが有効です。
腰、背中、肩に枕を当てて腰椎を伸ばして、背中の自然な湾曲を取り戻しましょう。
腰枕のやり方
1 仰向けに寝て、枕を腰(ベルトの位置)に当てる。
万歳をするよう両手を上げて腰を伸ばす。
2 30~1分間腰を伸ばしたら、枕を背中へ移動して(枕の幅くらい移動する)同様に背中を伸ば す。
3 最後に首の下(肩付近)に枕を当てて、首筋を伸ばす。
※猫背を早く治そうとして腰枕を当てたままで寝てしまうと、翌朝立ち上がれないほど腰の筋肉が突っ張る危険性があります。
猫背はすぐに治りません。無理してやり過ぎないようにくれぐれも注意してください。