理想の「睡眠パターン」を知ろう!

睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返す
夜になるにつれて、眠りを促すホルモンであるメラトニンの分泌が少しずつ増えると、体温、血圧、脈拍が下がり、自然と眠くなってきます。
くわえて、起きてから約14~16時間も経っていれば、睡眠圧(眠りたい欲求)も十分高まっているので、多くの人は通常、ベッドに入って目を閉じて、10分程度で入眠します。
入眠後は段階的に眠りが深くなり、最初の深いノンレム睡眠にたどり着きます。
このとき、ゆっくりと大きな波形の脳波がみられることから徐波睡眠とも呼ばれます。
ノンレム睡眠の深さは4段階に分けられ、この最初のノンレム睡眠はもっとも深く、ある程度長く続きます。
ノンレム睡眠のあとにくるのがレム睡眠です。
脳は覚醒時と同じくらい働きますが、体は眠っているので、筋肉は弛緩し、ほとんど動かず眠ります。
その後一定の周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返し、朝を迎えます。
正常な睡眠パターンの場合、ノンレム睡眠は次第に浅く、レム睡眠は徐々に長くなります。
明け方に向けて、覚醒作用のあるホルモンのコルチゾールの分泌が増えて、体温、血圧、脈拍が上がると、体も起きる準備が整っていきます。
こういった健康な睡眠パターンで眠れているときは、自然に起きられるしくみなのです。

一番大切な睡眠は入眠から最初の90分
睡眠時間を延ばすより、質を上げる方がいい
質のよい睡眠を目指すうえで、もっとも意識して欲しいのが、入眠後、最初に現れるノンレム睡眠です。
寝始めのノンレム睡眠は、睡眠周期のほとんどを占め、およそ90分続きます。
ここでしっかり眠れると、その後の睡眠の質もよい状態になります。
入眠後、眠りが徐々に深くなることで、交感神経優位から副交感神経優位な状態へ切り替わり、脳も体もリラックスします。
自律神経が整うと、ホルモンバランスもよくなります。
なかでも、人の成長にかかわる成長ホルモン(グロースホルモン)は、最初のノンレム睡眠時に全体量の70~80%が分泌されます。
しかし、最初の90分で質のよりノンレム睡眠が現れないと、ホルモンの分泌量を大きく減らしてしまいます。
また、入眠時に高まっていた睡眠圧(眠りたい欲求)が、最初のノンレム睡眠で放出されることで、その後の睡眠パターンが整います。
ノンレム睡眠は、一晩で4~5回繰り返されますが、2回目以降のノンレム睡眠が1回目より深くなることはありません。
つまり、最初の90分が浅く短い不十分なノンレム睡眠だと、その後の睡眠にも悪影響を与え、どれだけ長く眠っても目覚めが悪くなってしまうのです。

体内時計が睡眠と覚醒を支配する
地球上のほとんどの生物は固有の体内時計をもっています。
これにより、地球の自転に合わせて体内の生理現象を変動させる生体リズムがつくられています。
生体リズムには秒単位の物から年単位の物までいろいろありますが、人体のさまざまな生理機能ともっともかかわりの深いのが1日周期の概日リズム(サーカディアンリズム)です。
睡眠は、サーカディアンリズムに合わせて変わる体温やホルモン分泌の影響を受けるとともに、体を一定に保とうと働く恒常性(ホメオスタシス)によって調整させています。
ところが、人の概日リズムの1日は、地球の自転にともない決まっている1日よりも長い約24.2時間なので、放っておくと少しずつ後ろにずれていきます。
このずれを修正してくれるのが光です。
体内時計の中枢は、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」にあり、全身の細胞にある「時計遺伝子」に指令を送る事でコントロールしています。
とくに、朝の光が有効とされています。
網膜が朝の光を感知すると、視交叉上核に情報が伝わり、体内時計がリセットされ、地球の時間と体内時計とのずれをなくすことができるのです。
起きたらまず、朝の光を浴びて体内時計を整え、気持ちよく1日を始めましょう。