脳には3つの本能がある

はじめに
頭痛について勉強しているうちに、脳にも興味が湧いてきました。
脳の特性を知ることで、頭痛の改善に役立つことも多々あるような気がします。
人が本来もっている本能や脳の癖を知ることで、毎日を快適に生きるヒントが見つかれば嬉しいです。
脳には3つの本能がある
脳には生まれながらにもつ「本能」があります。
脳の本能を知る事で、脳の力を発揮する準備を整えることができるでしょう。
脳神経細胞がもつ本能は「生きたい、知りたい、仲間になりたい」の3つです。
人間は「生きたい、知りたい」という本能から“化学”を生み出し、「知りたい、仲間になりたい」という本能から“文化”を生み出し、「生きたい、仲間になりたい」という本能から“宗教”をつくり出してきました。
また現代においては「生きたい」という本能は“家庭”というシステムをつくり、「知りたい」という本能は“教育(学校)”といをつくり、「仲間になりたい」という本能は“会社”というシステムをつくり、維持しているわけです。
本質的に、脳は本能に逆らわない事を求めています。
脳の機能を最大限に活かすためには、脳神経細胞がもつ本能を磨くべきです。
「生きたい、仲間になりたい」という本能から脳が求めるのは「世の中に貢献しながら、安定して生きる」ことなのです。
「貢献心」は脳の二次的な本能であると言えますから、これを磨き、高めることが脳の力を発揮するベースになります。

「興味がない」と思うのはNG
本能のなかでも、思考や記憶に大きく関わるのが「知りたい」という本能です。
これは脳の原点とも言えます。
つまり人間の脳にとっては「興味をもつこと」こそが、すべての始まりなのだといえます。
どんなに頭脳明晰な人であっても、興味がないことは覚えられないものですし、深く思考したり、独創的な発想をしたりすることもできません。
とくに、人並み以上に物事への興味が薄い人は要注意です。
脳の考える仕組みが機能しなくなるばかりか、脳の神経伝達路も使わなければ衰えるからです。
「知りたい」という脳の本能を磨くには「興味がない」と思ったり、口にしたりしない事です。
たとえ聞いたことがある話でも、自分がまだ聞いたことがない部分もあるかもしれない、と考えれば興味が湧いてくるはずです。
常に新しい事を知ろうと、前向きに耳を傾ける姿勢を持つことが大切なのです。
脳のクセを知ろう
脳組織には「好きになる、理解する」などといった機能が生み出されますが、この機能を守るために第二段階の本能が生まれます。
それが「自己保存」と「統一・一貫性」という2つの脳のクセです。
「自己保存」とは脳は自分を守ろうとし、「統一、一貫性」とは脳は統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとします。
この2つのクセは、脳が発達するプロセスで獲得する、いわば後天的な本能です。
成長にともなって自我が芽生えるとより顕著に表れてきます。
「自己保存」は「生きていくために自分を守ること」という意味でとても重要ですし、「統一・一貫性」は正誤を判断したり、類似するものを区別したり、話の筋道を通したり、とプラスの作用をもっています。
しかしその反面、脳が間違いを犯したり、脳のパフォーマンスを落としたりする原因になる事もあるので、注意が必要です。
わかりやすいのが、「自分と反対の意見を言う人を嫌いになる」という反応です。
意見が違ったからと言って嫌いになる必要はないのですが、脳は「統一・一貫性」が働くので拒否します。
「自己保存」が働くことによって、自分を守ろうとするため、相手の意見を論破しようとすることさえあります。
脳のもつクセにより脳も間違いを犯すものだと知っておくことが大切です。