症状別♦自律神経のメンテナンス方法

自律神経の乱れといっても現れる不調は人それぞれです。
ここでは不調別、自律神経の乱れによるメカニズムとメンテナンス方法をご紹介します。
目次
慢性的な便秘や下痢
腸内環境改善で悪循環を断つ
胃腸など消化器官を活発に動かすのは副交感神経がメイン。
ストレスが続くと体が緊張状態になり、交感神経が優位な状態になります。
すると胃腸の働きが抑制され、消化活動や腸のぜん動運動も鈍くなってしまい、便秘や下痢が誘発されます。
また腸と脳は血管や自律神経を通して繋がり、情報のやり取りが行われています。
これを「腸脳相関」といい、どちらかの状態が両方の機能に影響し、腸と脳をつなぐ自律神経にも影響がでます。
腸内環境が悪いと安眠を得られずストレスになるなど、腸脳相関の悪循環を避け、自律神経をケアするためにも、ストレス解消と同時に腸内環境も整える必要があります。
メンテナンス方法
ウォーキングなど軽い運動をする習慣をもつ
猫背、ストレートネックなど姿勢の改善
深い呼吸の習慣化
首から背中のストレッチ
ヨーグルトなどの発酵食品をとる
ストレス解消を心がける
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアはかつて神経性胃炎やストレス性胃炎、胃下垂などと呼ばれ、胃の不調の中でもっとも多いと言われる疾患です。
心身的なストレスを抱えていると、自律神経の働きが乱れ、下のように胃の運動機能に異常が生じます。
近年の研究では「胃脳相関」といって、胃と脳にも相関関係があるということがわかっています。
心配事があると食欲がなくなったり、緊張状態では気持ちが悪くなったりしますね。
胃の不調によって起きる不快な症状は、さらにストレスとなって自律神経を介して脳にまで伝わり、悪循環を引き起こします。
改善するにはストレス解消はもちろん、生活リズムと整え、姿勢の悪さで胃を圧迫していないかも要チェックです。

なぜ機能性ディスペプシアがおきるのか?
生活習慣やストレスで自律神経のバランスが崩れる
⇓
副交感神経が働きすぎて胃酸が出すぎたり、交感神経が働きすぎて胃の活動が鈍くなる
⇓
機能性ディスペプシアの症状を発症
・胃が痛む、胃が張る、吐き気、胸やけ
・食欲があってもすぐに満腹になる
・逆流性食道炎
・胃もたれ など
メンテナンス方法
猫背、ストレートネックなどの姿勢の改善
首・肩・背中のこりの改善
首から背中のストレッチ
ヨーグルトなどの発酵食品をとる
イライラする
原因不明のイライラが続くときは交感神経にスイッチが入っています。
体調不良が重なるとイライラはさらに高まります。
イライラするときは「最近いつ笑ったかな?」と振り返ってください。
おそらくしばらく笑っていないのではないでしょうか。
面白いことがなかったとしておまずは笑顔を作って笑ったあと空を見ながら深呼吸してみましょう。
メンテナンス方法
深呼吸でリラックス
上向き呼吸法
空を見上げる
好きなことをする
ウォーキングやストレッチなど軽い運動をする。

うつっぽい
うつまではいかずとも、気分が沈みがちで、朝スッキリ起きられない、やる気がでないというようなときは、副交感神経が優位になっていることが多いでしょう。
スイッチを切り替える為にチェックしてほしいのは、規則正しい生活をしているか?ということと、睡眠の状態。睡眠時間は長くても短くても自律神経の負担になります。
8時間以上眠っているなら、それは少し寝すぎです。
また、寝る前のスマートフォンも睡眠の質を下げるので、要注意です。
外に出ないで日光を浴びない時も、体内で幸せホルモン「セロトニン」が合成されず、うつつぽくなるので、昼間はできるだけ日光に当たるようにしましょう。
メンテナンス方法
貧血になっていないか病院で検査する。
軽い運動をする。
必要以上に寝すぎてないか睡眠習慣を見直す。
朝、ちゃんと起きて太陽光を浴びる
深呼吸をする
アロマテラピーを試してみる
めまい
めまいは2種類あり、1つは視界がぐるぐる回る「回転性めまい」で抹消性めまいとも言われます。
もう1つは地面がぐらぐら揺れるような「非回転性めまい」で、中枢性めまいと非中枢性めまいに分かれます。
めまいの中で一番多いのは「非回転性で、非中枢性のめまい」ですが、自律神経の乱れでおきているかどうかの判定は耳鼻科や脳神経内科・脳神経外科で診断を仰ぐのがベストでしょう。
特に中枢性めまいが急におきた場合は、脳出血や脳梗塞などが疑われるので、医療機関を受診しましょう。
自律神経が原因の場合は肩こりや首こりの治療をすると改善する場合もあります。
メンテナンス方法
非回転性めまいなら耳ストレッチ&ツボ押し
深呼吸でリラックス
首から背中のストレッチで頭部への血流を促進
肩こり、首頃を改善するストレッチ
睡眠を見直し、眠りの質の向上を図る
不眠
眠るときは副交感神経がしっかりと入っているかどうかで、睡眠の質に差が出ます。
不眠の原因のほとんどは交感神経が優位になっていることで起きます。
デジタル機器の長時間使用、ストレス、頭痛や肩こりなど痛いところがあるなど、交感神経が優位になる原因に思い当たる所があれば改善し、眠る前は深い呼吸で副交感神経のスイッチをオンにしましょう。
メンテナンス方法
ぬるめのお湯にしっかり浸かる
寝る前のストレッチ
カフェインは控える
あごまわりや首周りの簡単なマッサージ
睡眠環境を整える
アロマテラピーを試してみる

頭痛
頭痛にはさまざまなタイプがあります。
多いのは「緊張型頭痛」と「片頭痛」です。
緊張型頭痛は心身の緊張が続いて血管が収縮して血流が悪化し、滞った老廃物が神経を刺激するために起きます。
片頭痛は、休日などで寝すぎて緊張がゆるんだ時に、拡張した血管が周囲の神経を刺激することで起きます。
正反対の作用で起きているので対処法は少し異なります。
チェックリストを確認して、まずは何が原因なのかを探ってみましょう。
□視界がチカチカし、一部欠けることがある
□においや音、光などの外界の刺激で症状がひどくなる
□血管がドクドクする感じがある
□吐き気がある、または吐いてしまう
2つ以上に☑がついたら片頭痛、つかなければ緊張型頭痛の可能性が高くなります。
片頭痛と緊張型頭痛が混在する場合もあります。
メンテナンス方法
緊張型頭痛
好きなことをしてストレスを発散する
深呼吸でリラックス
体全体をほぐすマッサージやストレッチ
肩や首を蒸しタオルで温める
長時間にわたって同じ姿勢を続けない
アロマテラピーを試してみる
片頭痛
必要以上に寝すぎない
お酒を飲みすぎない
肩こり、首こりを改善するストレッチ
睡眠を見直し、眠りの質の向上を図る
軽い運動をする
アロマテラピーを試してみる
慢性疲労・全身倦怠感
慢性疲労や全身倦怠感を訴える人の共通点は全身がガチガチに固まっているということ。。
身体が硬い状態だと血行やリンパの流れに障害がおき、疲労が蓄積されやすくなります。
ストレッチなどの簡単な運動で血流などの改善を行いましょう。
また、食後に倦怠感が出る場合は、血糖値の急激な上昇と低下が原因かもしれません。
食習慣の見直しを。
メンテナンス方法
デスクワークの人は30分に1回は立ち上がってストレッチ
糖質控えめの食事内容に改善する
睡眠時間の見直し
スマートフォンの使用時間を4時間以内にとどめる。
動悸
安静にした状態でも、心臓がドキドキして、胸が圧迫されているように感じる事を動悸といいます。
このような症状が出た場合は、まず内科や循環器科で不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心臓の疾患ではないことを精密検査で確認してください。
問題なしと診断された場合は、必要以上に気にするのはやめてみましょう。
この不調が現れる人の共通点として、首が前に出すぎていて下を向いている姿勢の人が多いことが挙げられます。
この姿勢の場合、呼吸が浅くなり、どうしても交感神経が優位になってしまいます。
姿勢を改善し、深い呼吸に整えるだけでも、症状は軽くなります。
メンテナンス方法
上向き呼吸をする(空を仰ぎ見るように首を後ろに傾け、ゆっくり3秒吸って3秒息を止め、6秒かけて口からゆっくり吐く)
首から背中のストレッチで頭部への血流を促進させる
肩こり・首こりの治療を中心とした骨格調整
動悸のことはできるだけ忘れるようにする

気象病
気圧や寒暖差、湿度の変化が影響し、頭痛やめまいなどの不調が出ることを「気象病」といいます。
日本では正式な病名としては存在していませんが、実際に症状に悩まされている人は多くいます。
天候の変化と体調不良が重なるという人は、下記のチェックリストを試してみてください。
気象病の症状で一番多いのは頭痛ですが、気圧の影響で耳の奥にある内耳が刺激され、脳から自律神経へと影響が出て、チェックリストにあるようなさまざまな症状がでます。
また、寒暖差や湿度の変化があれば、その状況に合わせて体温調節を行う自律神経が酷使されるため、疲弊して不調が起きます。
特に季節の変わり目には症状が出やすいので、自律神経の切り替えがスムーズになるよう、日々のメンテナンスで備えましょう。
気象病チェックリスト
☑天候が変わるときに体調が悪い
☑雨が降る前や天候が変わる前になんとなく予測できる
☑頭痛も地である
☑耳鳴りやめまいが起きやすい
☑肩こり、首こりがある。首の外傷歴がある。
☑猫背、反り腰がある。姿勢が悪い。
☑乗り物酔いをしやすい
☑パソコンやスマートフォンの使用時間が長い(平均1日4時間以上)
☑ストレッチや柔軟体操をすることが少ない
☑歯の食いしばりや、歯ぎしり、歯の治療が多い。顎関節症がある。
☑季節を問わず、エアコンが効いている環境にいることが多い。
☑日常的にストレスを感じている。(特に精神的ストレス)
☑更年期障害ではないかと思うことがある。
メンテナンス方法
姿勢改善など骨格の歪みを調整
ウォーキングやストレッチなど運動習慣をもつ
毎日の入浴習慣で冷えを撃退
重症の場合は専門医に相談の上、投薬治療を行う
気象病対策&アロマテラピーを試す
手っ取り早く効果を感じたい方へ
数々のメンテナンス方法をご紹介しましたが、そもそも自分でメンテナンス方法を試すやる気すら起きないほど重症な方もいらっしゃることと思います。
そんな苦しい状態からいち早く抜け出したい方は一度当院へご相談ください。