体を温めて「副交感神経優位生活」へ
体が温まると副交感神経が優位になる
冷えた体を積極的に温めることは、血液循環をよくし、交感神経が優位になった状態から、副交感神経を優位な状態にできる最短で確実な方法です。
適切な温熱刺激で血管を拡張させることで血液循環がよくなり、体が温まります。
血管の拡張と体温の上昇で副交感神経が優位になると、白血球の中のリンパ球が増え、免疫力が高まるのです。
ただし、副交感神経が優位になり過ぎて、リンパ球が増えすぎてもむくみやすくなり、血液循環が悪くなって冷えが生じます。
あくまでも、適切な範囲で体を温めることが必要になるのです。
脳内麻薬「βエンドルフィン」を分泌させよう
体を温めてリンパ球が増えると、脳からβエンドルフィンという脳内物質が分泌されることがわかっています。
βエンドルフィンは幸せや喜びを感じたときに分泌される、他交換や快感をもたらしてくれる「脳内麻薬」といわれる物質です。
体を温めると、この物質が分泌されるので、「体が温かい」というだけで気持ちがよくなり、冷えていた体や緊張していた心が一気に楽になります。
また、ガンの患者さんが体を温めてリンパ球が増え、βエンドルフィンが出ることで免疫力に有効に作用することもわかっているのです。
特別な医療行為をしないでも奇跡的に治癒したガンの症例が、世界中で4000件以上報告されていますが、その治癒の過程で、βエンドルフィンの濃度が急激に上がった例も報告されています。
最近、ショウガなどの体を温める食事や、腹巻や靴下などの冷え対策グッズが人気なのも、「体を温めると副交感神経が優位になる」ことと無関係ではないのでしょう。
副交感神経を優位にして血流をアップ
誰でもお腹がすくとどうしても力がはいりませんよね。
活動するためのエネルギーには、食事で摂る食べ物の栄養とカロリーが必要です。
それ自体に間違いはないのですが、どんなに栄養価の高いものを食べても、吸収されなければ無駄になってしまうのです。
栄養素の吸収に必要なのが「血流」で、栄養は血流の流れにのって細胞まで運ばれて初めてエネルギーとして活かされます。
血流が悪いと栄養が体の隅々の細胞まで運ばれず、組織を維持するために必要な栄養が届かなくなるのです。
そのうえ、血流は老廃物も運ぶので、届かないのに老廃物が残るという最悪の結果になってしまいます。
つまり、エネルギーに満ち溢れて元気でいるためには、食べる事と同じくらい、体を温めるなどして「毎日、血流をよくする」ことがとても重要です。
そもそも血流にも自律神経の働きが大きく関わっています。
心臓につながっている動脈は、筋肉が多いのでとくに自律神経の影響を受けやすいのです。
交感神経が優位になると筋肉が縮み、動脈血の流れが悪くなります。
冷えたときに体がむくんだり、疲れると歯茎が浮くのは、この動脈の血流低下が原因です。
また、心臓に戻ってくる静脈血は血管壁に筋肉がなく、動脈血に比べると自律神経の影響は少ないのですが、副交感神経が優位になった場合には、静脈内に余分な血液がたまってうっ血が多くなります。
みなさんもお風呂に浸かりすぎてのぼせたことが一度くらいはあるでしょう。
これも副交感神経が優位になった時に起きる静脈血のうっ血が原因なのです。
一方で、体が冷えると筋肉も冷えますが、筋肉をはじめとした全身の筋肉が冷たいと血液を送る力が弱まります。
血液を送るためには心臓のほか、ふくらはぎやお尻の筋肉などがポンプの役目を担っているのです。
ポンプの役目をするこれらの筋肉が冷えると血流が滞り、体のすみずみまで栄養が運ばれない原因にもなるわけです。
そうしたエネルギーのキーマンである血流をよくするためには、自律神経のバランスを整えておくこと、血流のポンプの役目をする筋肉を冷やさないことが重要なのです。