血液と自律神経の関係
交感神経が顆粒球を、副交感神経がリンパ球を支配
自律神経と白血球の支配関係は実に明快です。
交感神経が優位になると白血球の中に顆粒球が増えて活性化、そして、副交感神経が優位になると白血球の中にリンパ球が増えて活性化するのです。
この支配関係のしくみと、免役力の変化については、少し複雑な話になりますのでここでは要点のみを簡単に説明したいと思います。
交感神経が顆粒球を支配
交感神経は、「アドレナリン」という神経伝達物質を分泌して、全身の細胞に指令を出しています。
顆粒球にはそのアドレナリンの受容体があるので、ストレスや過労で交感神経が緊張すると、白血球の中の顆粒球が増えるのです。
顆粒球には体に入ってきた細菌などを直接食べる働きがあり、使命を終えるのと、活性酸素まき散らし、血流障害を引き起こします。
これが結果として免疫力の低下につながるのです。
副交感神経がリンパ球を支配
一方の副交感神経は、「アセチルコリン」という神経伝達物質を分泌します。
リンパ球にはアセチルコリンの受容体があるので、リラックスして副交感神経が優位になると、白血球の中のリンパ球が増えるのです。
リンパ球は、ウィルスなどが体に入ってくると、直接食べるのではなく抗体を作ってウィルスと闘います。
こうした働きが、結果として免疫力を高めるのです。
自律神経と免疫力のしくみ
交感神経が優位になると白血球では顆粒球が増え、免疫力が低下し、病気を予防する力や自然治癒力が弱体化します。
副交感神経が優位になると白血球では、リンパ球が増え、免役力や自然治癒力が強化されます。
つまり体を休めないと副交感神経が優位にならず、白血球の中のリンパ球が増えないので、免疫力が上がらず、病気も治らないわけです。
リンパ球の数で免疫力がわかる
私たちの体がもつ免役力の強さは、副交感神経が働いているかがカギを握り、副交感神経が支配するリンパ球の数によって決まるといえるでしょう。
実際に、病気になるとリンパ球の数は確実に減少し、病気が治療に向かうと、その数が増え始めます。
つまり血液中にリンパ球の数がどれくらいあるかが、病気と闘う免疫力を知るための大切な指標になるわけです。
血液1マイクロリットル中に含まれる白血球の数は通常5000~8000個。
そのうち理想的なリンパ球の割合が35~42%。
リンパ球の絶対数では2100~2500個と考えられています。
両方の数値を満たすのは難しいため、どちらかを満たせば臨床的には免疫力が正しく働いていて、病気の予防や治癒ができる状態だと考えます。
病気や体調不良を抱える人のリンパ球は極端に少なくなっています。
リンパ球が少ないということは交感神経が緊張した状態なので、そういった方は血流が悪くて、体がとても冷えているのです。
自宅でできる簡単な対処法は湯たんぽで体を温め、内臓の血流をよくし、自律神経のバランスを整えるといいでしょう。
病気になったときは「自分で体を温める」などして減少したリンパ球を増やすことが重要になってきます。
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