睡眠を味方につけて健康になりたい!
十分で良質な睡眠は、免疫機能を向上させます
感染症の最初の関門として、菌やウイルスの除去に働く自然免役を増強するのです。
たとえ感染した場合も、抗体産生などの獲得免役を正しく機能させ、感染からの回復過程を促進することが明らかになっています。
また、睡眠中にも脳は休まず、起きているときにはできない体の重要なメンテナンスを行っています。
正常な睡眠パターンの場合、入眠直後の深いノンレム睡眠で目向けや疲れを除去し、自律神経・ホルモンバランスを整え、免役の増強や老廃物の除去など、睡眠の重要な機能のほとんどを果たします。
明け方になると、深いノンレム睡眠は出現せず、レム睡眠が長くなり、脳と体で起きる準備を整えます。
正常な睡眠では自然に目覚め、身も心もリフレッシュされ、日中の活動性を高めるのです。
ところが、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害や、慢性の睡眠不足で「睡眠負債」があると、明け方にも深い睡眠が出現し、目覚めが悪く熟睡感がありません。
また、夜型の生活を送ると、体温などのリズムが後ろにずれ、起床時間になっても起きる準備が整わず、スッキリ目覚めることができなくなります。
規則正しい生活を身に着けるのは簡単ではありません。
しかし睡眠は生きていくうえで、もっとも重要な生理現象です。
今日からぐっすり睡眠を目指し、心地よい眠りと覚醒を手に入れましょう。
睡眠は感染症予防の基本
睡眠には、細菌やウイルスに対する抵抗力、つまり自然免役を強くする効果があります。
もし感染してしまっても寝ている間に獲得免役が働いているので、「風邪は寝て治す」は間違いではありません。
予防接種をしたとしても、睡眠が十分でないと抗体反応が弱く、その効果が認められなかったという報告もあります。
睡眠不足は感染症にかかるリスクを上げるだけでなく、感染からの回復も遅くさせてしまいます。
未知のウイルスの感染対策においても、十分な睡眠を確保して、免疫力を高めておくことが重要なのです。
睡眠不足は太りやすいと言われるのはなぜ?
短時間睡眠の女性は肥満の傾向があるという研究報告があります。
これは夜更かしをすると、つい余計なものを食べてしまうという典型的な行動です。
しかし寝ないとなぜ食べてしまうのか?
これは睡眠不足により、食欲に関わるホルモンが影響を受けているからです。
睡眠時間が短いほど食べ過ぎを抑制するホルモンのレプチンは減り、食欲を増すホルモンのグレリンが増えてしまうからなのです。
つまり短時間睡眠によってホルモン量が変化し、食欲が抑えられなくなることで食べ過ぎてしまうのです。
睡眠不足のときには日中の活動量が低下することも影響しているといえるでしょう。
健康や美容のためにも、夜しっかり眠ることが大切です。
日本は世界一「眠らない国」
1日の平均睡眠時間は多くの国hが8時間を超える中、日本は7時間22分と33か国の中でもワースト1位でした。
この統計は2016年のもので、2019年の調査では6時間40分とさらに短くなっていました。
厚生労働省の報告では「睡眠時間6時間未満の人が40%」というものもあるほどです。
この背景には働く時間や通勤時間が長すぎるといった日本特有の働き方に加えて、24時間営業の店舗やSNSの普及による生活の夜型化が挙げられます。
眠らないことによる弊害は、様々な観点から指摘されています。
睡眠は単なる休息ではありません。
睡眠の価値を理解し、よりよい睡眠へ意識を向けましょう。
睡眠不足によるさまざまな懸念
・免疫力が下がり、感染症などの病気にかかりやすくなる
・ホルモンバランスが乱れ、太りやすくなる
・目覚めが悪く、眠気や疲れがリフレッシュされない
・日中のパフォーマンスが下がる
・交通事故や業務上のミス、トラブルが増える など