眠れないのも、眠すぎるのも睡眠障害

過眠と不眠のふしぎな関係
不眠があるから過眠が出る、日中の過眠があっても不眠になる
日本では、成人の約2割が睡眠になんらかの問題を抱えているといわれています。
睡眠障害とは、睡眠の異常から生活に支障のある状態の総称ですが、症状や病態はいろいろあります。
まず、不眠症と過眠症について紹介します。
一般に睡眠障害というと、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)早く目が覚める(早期覚醒)、熟睡した感じがしないなど、眠れない状態を想像しがちです。
これらはすべて不眠症の症状で、本人が自覚できるケースが大半です。
一方、日中強い眠気に襲われ、起きていられなくなってしまう過眠症も、不眠症と同じくらいよく見られます。
過眠の症状でもっとも多く見られるのは、睡眠時無呼吸症候群からの過眠です。
就寝中たびたび呼吸停止が起こり、覚醒反応が現れるため熟睡できず、日中の眠気が発生します。
睡眠時無呼吸症候群でもっとも多い症状は、じつは昼間の眠気なのです。
不眠と過眠は別々の病気として分類されますが、実際には表裏一体の関係です。
過眠や日中の不適正な生活習慣により、夜に不眠になることはめずらしくないのです。
眠れないだけでなく、眠くて仕方ないのも睡眠障害です。

本当に怖い睡眠時無呼吸症候群
睡眠障害のなかでも、近年とくに増えているのが21世紀の現代病ともいわれる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。
いびきや日中の倦怠感でようやく気づくこともあります。
眠っている間にしばしば呼吸が止まってしまう病気で、睡眠関連呼吸障害群に分類されます。
黄金の90分を確実に手に入れる!
睡眠の質は最初に訪れるノンレム睡眠、いわゆる「黄金の90分」にかかっています。
最初に理想の深いノンレム睡眠に到達できれば、その後の睡眠リズムは正しいものとなり、朝にはスッキリ目覚められます。
方法は簡単です。夜、眠気がやってきたタイミングで寝て下さい。
睡眠は恒常性と概日リズムによって支配されています。
朝がくれば目が覚めて、夜になると眠くなるのは、いたって自然な現象です。
ところが、多くの人が夜更かしをしたり、徹夜をしたりと、睡眠をつかさどるふたつのシステムを無視しがちです。
たとえば、夜を徹して仕事をし、明け方にようやく寝ようとしても、興奮状態が続く脳はとても眠れる状態にありません。
くわえて、明け方は覚醒が始まる時間帯でもあります。
たとえ眠れたとしても、深いノンレム睡眠が訪れることはなく、目覚めもよくありません。
徹夜せずを得ない場合は最初に眠気を感じたときに眠り、「黄金の90分」が過ぎた頃に訪れるレム睡眠のときに起きるとよいでしょう。
100分前後と短い時間ですが、最初のノンレム睡眠を確保できているので、体の最低限必要なメンテナンスは整っているはずです。
夜、眠くなった時に寝るという当たり前のことが、実は何より大切なのです。

入眠直前に現れる睡眠禁止ゾーン
日中ずっと起きていれば睡眠圧が上昇し、自然に眠くなります。
それならば、睡眠圧は寝る直前にもっとも高くなっているはずです。
ところが、実験では、ふだん寝る時間の2時間前から就寝直前までが、もっとも眠りにくいとわかったのです。
脳が眠りを拒むこの時間帯をフォビトゾーンと呼びます。
いうなれば睡眠禁止ゾーンです。
夕方から高まる眠気を抑え込んで夜まで活動するために覚醒力が働くので、睡眠圧の高まる就寝前にフォビトゾーンの減少が強く現れます。
翌日の朝が早いからといって、いつもより1~2時間早く寝ようとしても、なかなか寝付けないのは、まさにフォビトゾーンのタイミングで寝ようとしているからです。
実は無理に早く寝ようとするより、いつもの時間に寝て早く起きる方が、睡眠時間が短くなったとしても、眠りの質は守られます。
眠りの質を確保するためには、まずは起きる時間を決めましょう。
朝は必ず決まった時間に起きるようにすると、眠くなる時間も決まってきます。
就寝時間が決まると、睡眠パターンも確立されるので、結果的に「黄金の90分」へもスムーズにみちびかれます。