極上の眠りを導く方法

「寝る力」と「起きる力」はセット
睡眠と聞くと眠る事ばかりを考えがちですが、日中どう起きているかも重要です。
人は十分に眠れていると、日中は14~16時間ほどは起き続けられます。
これはオレキシンという神経伝達物質が活躍するからです。
オレキシンの活動は概日リズムによって変動します。
日中は脳内で活発に働いて、夜になるにつれて弱まります。
そして、夜間は睡眠圧がオレキシンの活動を上回るので、眠くなるのです。
脳の覚醒を左右する神経伝達物質
オレキシン、ヒスタミン、ノルアドレナリン、ドーパミン(覚醒をサポートする神経伝達物質)
日中はこれらの力が強く覚醒状態が維持されます。
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夜になり睡眠圧が高まるがそれにあらがうように、視床下部外側野にあるオレキシン神経細胞が強く作用。
これがフォビトゾーン。
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視床下部の腹側外側にあるGABA神経細胞が作用して、覚醒に関わるオレキシン、ヒスタミンなどの活動を抑制。
すると睡眠圧の方が強くなり睡眠状態になる。
体温の変化が極上の眠りを導く
入眠や起床に悩んでいる人は、体温に注目してください。
体温は概日リズムの影響を受けているので、1日のなかで上がったり下がったりと変化しています。
通常、人の体温は「日中は高く、夜間は低い」ものと言われていますが、これは深部体温(体の内部の温度)の変化に限った話です。
皮膚温度(体の表面の温度)はその全く逆で、「日中は低く、夜間は高く」変化します。
また各政治の深部体温は健康なひとであれば、皮膚温度より最大2度ほど高くなっています。深部体温が36.5度の人であれば皮膚温度はおよそ34.5度です。
眠くなると手が温かくなるのは、入眠前には手足の先に集中している毛細血管が動静脈吻合から熱放散が行われているからです、
熱放散によって深部体温を下げているのです。
このとき、深部体温は覚醒時より0.3度ほど低い36.2度にまで下がり、皮膚温度との温度差が縮まっています。
この「温度差が縮まること」が入眠のカギです。
眠気は深部体温が下がるにつれて強くなりますが、それだけでは不十分なのです。
深部体温と皮膚温度の差が縮まるとさらに眠気は増すので眠くなりやすくなり、「黄金の90分」を手に入れることにもつながります。

副交感神経を優位にする入浴法
健康的な睡眠をとるためには、夜にきちんと副交感神経優位になることが大切です。
入浴は、交感神経の緊張を解消するための大切な健康習慣です。
お湯にじっくり浸かる事で、交感神経から副交感神経にスイッチが切り替わり、自律神経のバランスが調整されます。
また、湯船に浸かる事で筋肉がゆるみ、内臓の温度(深部体温)も上昇して全身の血流がよくなります。
ところで、こうした入浴の効果は体の冷えている人ほど内臓が温まるまで時間がかかり、のぼせやすいのです。
のぼせるので「カラスの行水」ですませると、深部体温が上がるま体が温まらず、せっかくの入浴効果を得られません。
体が冷えている人でも、のぼせないでお湯にじっくり浸かれる方法があります。
入浴前に、体の中でも特に冷えている「お腹やお尻」をドライヤーや湯たんぽであらかじめ温めておくのです。
こうすることで体が均一に温まり、入浴効果がアップします。
体が温まった状態でお湯に浸かると、のぼせることがなくなり、深部体温が上がるまでお湯にじっくり浸かる事ができるのです。
また、お湯の温度も大切で、42℃以上の熱いお湯だと交感神経が刺激されて睡眠を妨げることになりかねません。
熱すぎず、ぬるすぎず、副交感神経が優位になる温度の38~40℃を目安にしてください。
※ドライヤーでお腹やお尻を温める際は、おへその上下10センチのところ、左右のお尻のふくらみの中央を、皮膚から10センチ離して「熱い」と感じるまでドライヤーで温めましょう。

シャワーでは温熱効果が得られず、免疫力はダウン
湯船に浸からず、毎日シャワーですませている方はいませんか?
実はシャワーですませている人は、湯船に浸かっている人に比べて温熱効果をあまり得られていないのです。
シャワーでは体表面温度が上がらず、交感神経が緊張してしまい、白血球の中の顆粒球が増えてリンパ球が不足するという、健康にとっては好ましくない結果になっています。
実際に1ヶ月間湯船に浸かった場合と、シャワーですませた場合を比較した実験データによると、シャワーだけですませている人は、湯船に浸かっている人に比べて、リンパ球の割合が25%以上低いことがわかっています。
特に冷え性の人や、病気がある人は、今晩からでも早速、ドライヤーで加熱してから湯船に浸かる入浴法を日課にしてください。