前に突き出た「カメ首」をなんとかしたい

目次
前かがみ姿勢で、あごが突き出た「カメ首」姿勢こそ猫背の重大原因
最近、電車内でまわりを見ると、9割以上の人がスマホを使用しています。
街中でもほとんどの人が背中を丸めて、首やあごを前に突き出した姿勢で、じっと下を見ています。
視線の先にあるのは決まってスマホで、こうした姿勢は、わざわざ自分から「猫背になろう」「早く老けよう」「病気になろう」としている無謀な行為のようにも思えます。
かといって私自身もついついやりがちではあるのですが・・
首を伸ばし、スマホをのぞき込む姿は、まるでカメが甲羅から首を出している姿勢にも見えるので、私はこうした姿勢を「カメ首の姿勢」と呼んでいます。
最近はテレワークの普及で、ビジネスパーソンもノートパソコンを使う機会が増えています。
このノートパソコンの使用時も、肩をすくめて小さな画面をのぞき込む姿勢から、カメ首になりがちです。
カメ首の時、人間はうつむいていて、猫背の首の部分である頸椎は前弯を失い、胸の部分にある胸椎は不自由に丸く(後弯)になります。
この状態が続くと、背骨は丸まったままの「猫背」になります。
今や「カメ首」は猫背の最大原因といっても過言ではないでしょう。
また、カメ首が怖いのはそれだけではありません。
頭がどんどん垂れさがり、顔を上げてまっすぐ前を向けなくなる「首下がり症候群」のリスクが高まります。
前を見ることが出来ず、歩くことが困難になる人もいます。
カメ首が進行して、首下がり症候群になり、手術を受ける方も年々増えているとも言われています。
カメ首は少し前までは女性に多い印象でしたが、新型コロナウイルス感染症が拡大してテレワークが普及したせいでしょうか、最近は男性にも激増しているようです。
女性では首の筋肉量が少ないため、カメ首姿勢を続けて頭を上げる筋肉が衰えると、改善させるのに時間がかかります。
日々、間違った姿勢を取り続けると、骨や筋肉はその間違った姿勢のままで衰えて定着します。
スマホは1日平均2時間以上も使っているという報告もあるので、まずはスマホの使い方を改めましょう。

「猫背を招く意外な原因」一覧
現代人の生活は洋式になり、家にソファーがある人も多い事でしょう。
ソファーに座ると一般的な椅子に座るよりも、筋肉が使われにくくなって、衰えやすくなります。
そして猫背にもなりやすくなります。
ソファーに座って何をするかと言えば、テレビを見たり本を読んだり、スマホを見ることが多いでしょう。
すると目線は下がってうつむいたカメ首姿勢になります。
これでは猫背になる可能性が高まります。
ソファーを置いている方は、座るときはくれぐれもカメ首にならないように気を付けて、猫背を防ぐ生活習慣を身につけて欲しいと思います。
ソファーに座る以外にも、普段の何気ない動作の中に、猫背を招く原因が隠れているので、思い当たる動作がないか振り返ってみてください。
カメ首でスマホ・PCを使う
スマホの画面を長時間うつむいて見ていると、首やあごが前に突き出る「カメ首」になる。
ノートパソコンは、画面が低いため、首を前に傾けてしまうので気をつけましょう。
床に直接座る
背中が丸くなりやすい姿勢です。
長座(両足を伸ばして座る)、割座(正座ですねを外に出して座る)、体育座り、あぐら、横座りなど。
うつむき歩き
下を向いて歩くと背中が丸まります。
背中を丸めて料理をする
首猫背や背中猫背になる人が多いです。シンクの高さを自分の慎重に合わせらる場合は合わせましょう。
背もたれの位置が遠いままで運転する
体全体が前のめりになって猫背を招きます。
同じ側で鞄を持つ
いつも同じ側の手で持ったり、肩にかけたりしていると、背骨が側弯したり猫背になったりします。
足組座り
ひざの上に乗せた側の骨盤が倒れ、その上にある背骨も傾きます。
お腹太り
お腹がポッコリと出ていると、お腹の重みを支えようとして反り腰になり、背中猫背を招
きます。
症例報告
テレワークによるカメ首姿勢で猫背になり、首を切り落としたいほどの激痛や頭痛に見舞われたが頭痛整体で痛みがなくなり姿勢も改善⇒
首猫背について
「首猫背」とは頸椎(背骨の首の部分)に生じる猫背のことです。
本来、背骨は横から見ると自然なS字カーブを描いており、頭部を支える頸椎は重さや衝撃を分散させるために前弯(前に反った状態)しています。
ところが「首猫背」の人は、頸椎の下部が前方向に不自然に丸まり、自然な前弯が失われます。
中には、あごを突き出す姿勢になって頸椎がまっすぐになる「ストレートネック」を招く人も少なくありません。
すると、背骨を構成する骨も変形し、背中の中を通る神経も圧迫されて、首こりや頭痛などの不快症状、頸椎椎間板ヘルニアといった首の激痛、手指のしびれを招く病気の温床になります。
実は私自身もストレートネックで首の痛み、頭痛に悩まされ、整形外科では頸椎後弯とまで診断されたことがあります。
私はむち打ち症経験者でしたが、むち打ち症の人はたいてい交通事故の衝撃で頸椎のカーブが崩れ、ストレートネックの人が多いそうです。
酷い時は鎮痛剤を服用したり、鍼治療やマッサージも試しましたが、全くよくなりませんでした。
転機が訪れたのは頭痛整体に出会い「日だまりショット」を受けたときでした。
1回で首が緩み、信じられないくらい上や左右に首が回しやすくなりました。
私のように首こり、痛み、不快症状で悩んでいる方を1人でも救いたいと思い、この世界に飛び込みました。
ただし、痛みがなくなり良くなったからといって、悪い姿勢を続けていてはまた元のように戻ってしまいます。
頭痛整体と併用し、ご自身で運動療法も行うことが大切で、ストレートネックも改善します。
首猫背改善におススメの1分首倒し
首猫背の方は首が固すぎて「背骨を1本の棒のよう」に感じる方も少なくありません。
本来、背骨は椎骨という小さな骨が積み重なっており、一つ一つの骨は柔軟に動くのが普通です。
元に戻すには、こわばって固くなってしまった一つ一つの椎骨をほぐすように、首の骨1個ずつをじわじわと後ろに倒す「1分首倒し」がおススメです。
3週間ほど行うだけで、ストレートネックだった頸椎に生理的な湾曲が戻るようになります。
「1分首倒し」のやり方
やり方は簡単で、全部で7つある頸椎(背骨の首の部分)の椎骨を1つずつじわじわと後ろに倒していくだけです。
もちろん、厳密には骨を1つひとつ倒していくことは出来ませんが、頭の中で椎骨が倒れていくのをイメージしながらゆっくりと、丁寧に行うのがコツです。
また、「1分首倒し」を行う前には準備運動を行いましょう。
「首の前屈ストレッチ」「首の側屈ストレッチ」を行うと、首の後ろと側面の筋肉がほぐれて、1分首倒しがしやすくなります。
もちろん後ろに倒すと痛む場合は無理をしないでください。
毎日少しずつでも実践すると首に柔軟性が戻るとともに痛みも改善してくるはずです。
痛みがあり実践できない方はこちら⇒
「首の前屈ストレッチ」やり方
①頭の後ろで両手を組み、徐々に下を見るように、ゆっくりと首を前屈させていきます。
②目いっぱい前屈したら、20秒キープして、ゆっくりと元に戻ります。
③2回行ってください。1セット約1分です。
「首の側屈ストレッチ」
①左手を右側頭部に当て、頭をやや左後ろに引っ張りながら横に倒していきます。(側屈)
②めいっぱい倒したら、10秒キープして、ゆっくり元に戻します。
③反対側でも同様に行います。
④2回ずつ行って、1セット約1分です。

「1分首倒し」のやり方
①椅子に座り、背筋を伸ばしてあごを引きます。
②7個ある首の骨を、下から順に1個ずつ後ろに倒していくイメージで、少しずつ上を向きます。
※ポイントは頸椎を1個ずつ倒すためにゆっくりと動かしましょう。
③めいっぱい上を向いたら、その状態を20秒キープし、ゆっくりと元に戻します。
※上を向いたときに、後ろの壁が見えるくらいまで首を倒すのがベストです。
④2回行ってください。1セット約1分。
※1日に3セット行いましょう。
注意:首を反らすと痛む人は無理をしないこと。

縮んだ胸の筋肉をゆるめて、首猫背も肩こりも改善に導く「胸広げストレッチ」
1分首倒しをしても、症状が思ったように改善しない人もいるでしょう。
そうした人の共通点には、胸の筋肉が縮まって肩が前に出た「巻き肩」が挙げられます。
実際、1分首倒しを行っても、首が思ったように後ろに倒れず、真上すら向けなかった人もいることでしょう。
これは、巻き肩で胸の筋肉が縮まり、首の後ろ筋肉も引っ張られてこわばり、固くなっておる可能性があります。
そこで、胸の筋肉をほぐす、巻き肩を解消する運動「胸広げストレッチ」も同時に行い、1分首倒しの効果を最大限に引き出しましょう。
胸には大胸筋という胸表面にある扇型の大きな筋肉と、小胸筋という大胸筋の下にある小さな筋肉があります。
特に小胸筋は肩の柔軟な動きを担っています。
これら2つの筋肉の筋膜をゆるめることで、猫背解消につながります。
是非実践してみてください。
「小胸筋ストレッチ」
①背筋を伸ばして立ち、両手の手のひらが天井を向くように腕をあげます。
②手のひらを天井と水平に保ちながら、後ろ側に押し出します。
できるだけ押し出したら20秒キープして元に戻ります。
③2回行って1セット。約1分です。
1日に3セット行うといいでしょう。
※ポイントは肩が前に出て内側に巻き込む「巻き肩」の人に特によく効くストレッチです。
このストレッチを行うと1分首倒しで首が後ろに倒しやすくなり、首猫背の解消に役立ちます。

「大胸筋ストレッチ」
①壁に背を向けて、足を肩幅程度に広げて立つ。
右の手のひらを壁につけて、上体を壁とは逆宝庫央にひねって、胸と腕の筋肉を伸ばしていく。
②胸と腕の筋肉をめいっぱい伸ばしている状態を20秒キープして、もとに戻る。
③左手でも同様に行う。
※ポイントは壁につける手の位置を少し上にずらすと、前鋸筋(肩甲骨と肋骨をつなぐ筋肉)のスストレッチになります。
2回で1セット。1日に3セット行いましょう。
今すぐカメ首をなんとかしたい人はこちら⇒